溶融亜鉛めっきは、高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸し、表面に亜鉛皮膜を形成する技術です。
亜鉛めっき加工を施した鋼材は、錆びや腐食を発生しません。塗装や電気めっきなどとは異なり、亜鉛と鉄から形成される「合金層」により、亜鉛と鉄が強く金属結合しているため、長い年月を経てもめっきは剥がれることがありません。
※説明映像【溶融亜鉛めっき(日本語版)】【Hot dip galvanizing(英語版)】
【Hot dip galvanizing (英語詳細版21分)】
溶融亜鉛めっきの防食機能には、「バリアー機能/保護皮膜作用」と「犠牲防食作用」という2つの大きな特徴があります。
バリアー機能/保護皮膜作用
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バリアー機能
溶融亜鉛めっき皮膜は、鋼を完全に覆い、外部の腐食因子(酸素、水分、塩分等)から遮断することにより、鋼の腐食を防ぎます。溶融亜鉛めっき皮膜が存在する限り、鋼は全く腐食しません。
保護皮膜作用
溶融亜鉛めっきは大気中の酸素、二酸化炭素、水分等と反応し、表面に腐食生成物が形成されます。この腐食生成物はやがて薄く緻密な不働態皮膜となり、亜鉛めっきの減耗をさらに低下させます。
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バリアー機能/保護皮膜作用
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犠牲防食作用
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亜鉛めっき皮膜は、鋼を完全に覆うことによって鋼を腐食から守りますが、万一めっき皮膜が局部的に欠損し、鋼が露出しても、周辺の亜鉛が鉄より先に溶けだすことにより、鋼は腐食しません。
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犠牲防食作用
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四方を海に囲まれ、湿度が高い日本で、社会資本のベースとなっている「鉄」を『錆びない・腐食しない・環境と調和する』新たな素材へと生まれ変わらせる「溶融亜鉛めっき」は、『リユース、リデュース、リサイクル』の高度な循環型社会を実現する、優れた加工技術なのです。